「終わりました」
何とか袖を捲り終えて先生からサッと離れると、先生が目を見開いて私を見据えてくる。
あれ?私、何か変だった?
緊張してたのバレちゃったかな?
「あのぉ〜」
「…ぷ。あはははっ!」
「へ?」
突然、声を上げて笑い出した先生に、思わず間抜けな声が出てしまう。
やっぱり、不器用だと思われちゃったかな…
「あ〜、ごめんごめん。何でもないよ」
何でもないって、すっごい気になるしっ!
言ってくれた方が嬉しいんですけどっ!
「なぁ。放課後なんだけど、部活の前にちょっと手伝ってくれる?」
「何をですか?」
「ん?掃除」
そう言って、先生は新しい水を入れたバケツを持つ。
「顧問には言っておくから、練習前に」
先生と、二人っきりで掃除……?

