俺様主人は時に甘い


思い出す。


先生とのやり取りよりも、鈴菜に話したかった昨日の先輩との出来事を……



それは、昨日の夜。


部活後の下校時間まで遡る。



◇◆◇



「で。何で着いてくるんですか?」



一人で学校を出て最寄駅から電車に乗り、隣りの駅で降りると、私は振り返って学校からずっと後ろを着いてくる先輩にイヤミをたっぷり込めて言った。



「別に。俺も家がこっちなだけだけど?」


「……そうですか」



まあ、学校から隣りの駅だし。


ここから通う生徒は多いから、あり得ない話ではない。



再び歩き出す。


駅前の商店街を抜け住宅街に入ると、またまた足を止めて振り返った。


それと同時にピタッと止まる先輩。



絶対に怪しい…


これは何か企んでる?



「先輩。家はどちらですか?」


「答える義務はない」



くぁーっ‼︎むかつくむかつく!


今日、何度先輩にムカついたことだろう。


超絶イケメンの王子様に、こんなにもムカついた女子は多分私だけだと思う。