ね?、と私の背中を軽く叩く鈴菜。
鈴菜の言う通り。
先生の特別になりたい、という自分の気持ちに気付いた今、恥ずかしがってたら何も出来ない。
雪乃みたいにどんどん自分をアピールしていかないと、特別になんてなれっこないんだから。
「…うん。頑張ってみる」
ぎゅって抱き締めて、とは言えないかもしれないけど。
少し、大胆なことをお願いしてみようかな…
当たって砕けろじゃないけど、先生の記憶に残れるように。
そう心に決めた。
のは、いいけれど。
鈴菜に先輩とのことを聞いてもらう気満々だった私は、話の途中で先生が入ってきて朝のホームルームが始まった為、本題まで話せなかったことに悶々としていた。
こんな時に限ってホームルームの時間が延びて、ホームルーム後すぐに一時間目が始まるし。
はぁ、とモヤモヤした物を吐き出すように息を吐き、ふと窓の外を見ると。
「あ…笠原先輩」
外には体育真っ最中の先輩が、若干怠そうに(見えるのは多分私だけだと思うけど)準備体操をしていた。

