俺様主人は時に甘い


先生はウィンクをしながら、シィッと人差し指を口の前で立てる。


その顔があまりにもお茶目で可愛くて、私の顔からはボッと火…いや、炎が出た。



◇◆◇



「ちょっと待って。先生とのこと、進展あるじゃない」



私の話を中断させて、鈴菜が言う。



「え?」


「え?じゃないわよ!これはチャンスじゃない!」


「チャンス?」



興奮気味の鈴菜に、若干遅れ気味の私。


何のこと?と言わんばかりに首を傾げる私に、鈴菜は溜息を吐くと「よく聞きなさいよ!」と言って、人差し指でちょいちょいと呼び寄せた。



「ぎゅって抱き締めて下さいってお願いしてみたら?」



鈴菜が耳元で言ったことに、一瞬思考が追い付かない。


ぎゅって抱き締めて…?


ぎゅって……


ギュッ…って!



「えええぇぇーっ‼︎」



な、何を言っちゃってるんですか、鈴菜さん!


そんなの無理に決まってるでしょーがっ‼︎