「精が出るな」
爽やかな、私の大好きな声が聞こえた。
「田中先生っ!」
「早速水仕事か。笠原の奴、人使い荒いだろ?」
「い、いえ…これもマネージャーの仕事ですから」
先生の前だと自然としおらしくなる自分が少し笑える。
だけど、ぶりっ子してるわけでも作ってるわけでもない。
本来なら、笠原先輩のことチクってやるんだけど…
本当に自然にこうなっちゃうんだよね。
「落合。今回はホント助かったよ。ありがとな?」
そう言って、微笑む先生に胸がきゅんっと締め付けられる。
夢みたいだ。
先生とこうして、二人っきりで話せるなんて。
「なんかお礼しないとな。何がいい?」
「いえ!お礼なんて、そんな……」
「遠慮すんなって。半ば強引だったわけだし、何かお礼しないと気が済まない」
「でも」
「じゃあ、考えといて。もちろん、他の生徒には内緒な?」

