「あー…うん。結構大変かな」


「そうじゃなくて、先生と仲良くなれそうなの?」



ニヤニヤと笑う鈴菜は、若干前のめりになって私の話を期待しているようだった。



「何もないよ?ちょっと話しただけで」



そう、先生とは何もない。


先生とは、ね…



「じゃあ先輩とは?かなり雅のこと気に入ってたみたいだけど」



ゔ…やっぱり。


鈴菜のいる前で跪いた挙句、手を繋いで(勝手に繋がれただけだけど)走り去ったらそりゃ気になりますよね…



「実はね…」



私は部室であったことも含めて、鈴菜に話し始めた。



◇◆◇



「一年二組、落合雅です。宜しくお願いします」



約50名のサッカー部員の前で、緊張で声を裏返しながら自己紹介を何とか済ませると、早速マネージャー初日の仕事に取り掛かった。