「うん。多分、もう無いと思うけどね」
無いことを祈りたい。
これ以上、怖いし…
ポケットの中に手を入れて、手紙があることを確認する。
【ラスト チャンス。画鋲orカッター?】
ラストチャンスって…
最後のチャンス…いや、最後の警告ってことなのかな…
でも、それってどうすればいいの?
本当に先輩とのことなのか、それともまた別のことなのか。
「何で、私が…」
こんな目に合わなきゃいけないの…?
「ん?何か言った?」
「ううん。何も」
とりあえず、鈴菜にも余計な心配掛けたくない。
バレないようにしなくちゃ。
落ち込んでたらダメ。
負けたら、ダメ。
ポケットの中で手紙をクシャッと丸めると、鈴菜に聞こえないように「よし!」と頬を叩いて気合を入れた。
「ところで、昨日はどうだった?」
教室に着き隣同士の自分達の席に座ると、鈴菜は私の方に体の向きを変えた。

