イライラして、訳のわからないことまで突っ掛かってしまう自分が情けないけど。
笠原先輩という人は、勝手に人のペースを乱して、イラつかせる天才だ。
ただ単にからかわれてるだけで、それに私がまんまと乗るから楽しいだけだと思うけど。
私はこの人とは合わない。
不協和音でしかない。
もういい。
マネージャーやるにしても、必要以上に近づかないようにすれば何とかなるだろう。
私はとっとと着替えて校庭に行こうと荷物を持ってドアを開けると、先輩が再び癇にさわることを口走った。
「あいつのこと好きなら、やめておけ」
ピタッとドアを押す手を止めて振り返る。
アイツハ、ヤメテオケ?
「何でそんなこと先輩に言われなきゃならないんですか?」
意味がわからない。
ホント、一体何なの?