私、落合 雅(オチアイ ミヤビ)は何処にでもいる普通の女子高生だ。


ただ、他の人より少し身長が低く、春の健康診断では少し背伸びをして148センチだった。


親や友達には天然って言われるけど、私は自分でそうは思わない。


…まぁ、ちょっと鈍臭いっていうのは自覚あるけど。



そんな私は、担任の田中 陽平(タナカ ヨウヘイ)先生に入学当初から片想い中。


先生の声に何度も癒され、心が救われた。




「ほら。また雪乃の奴、先生にべったりくっついてるよ」



教室のドアの目の前で、クラスメートの相原 雪乃(アイハラ ユキノ)が先生の腕に自分の腕を絡めている。


先生は苦笑いを浮かべつつ、やんわりとその腕を離そうとするけれど、雪乃のしつこさの方が一枚上手でテコでも離れそうにない。


毎朝の、いつもの光景。