「先生ごめんなさい!私、今すぐ先輩に話が、」
「こんなとこで二人で何してる?」
突然、先輩の不機嫌そうな声がして振り返ると、負のオーラ満開の先輩が庭に出て来るところだった。
「ナイトの登場だな」
先生は、ふっ、と笑うと先輩の方へ歩いていく。
そして、先輩の肩をポンっと叩くと家の中に入って行った。
「何話してた?」
私の方を見ず、そっぽを向いて言う先輩。
気付いちゃった……
先輩、ヤキモチ妬いてる。
だって、気まずそうな表情の裏に先輩の不安な気持ちが見え隠れしてるから。
なんか……不謹慎かもしれないけど、嬉しい。
「先輩のことだよ」
「俺?」
驚いたように目を開く先輩に、くすっと笑みが漏れる。
他人の前ではキラキラな笑顔を崩さない王子様な先輩が、私の前では子供のようにコロコロと表情を変える。
怒ったり、拗ねたり、焦ったり、泣いたり。
喜んだり、大きな口を開けて笑ったり。

