暫く盛り上がると、先生は風に当たると言って庭に出た。
先輩と礼奈さんはお笑い番組に夢中で、先生が外に席を立ったのも気付いていない。
話すなら今がチャンスかも。
私はそっと立ち上がり、先生を追った。
「大丈夫ですか?」
酔ってしまったのだろうか。
少し顔が赤い気がする。
「ああ、大丈夫。酔ってないよ」
先生は笑って言うと、空を見上げた。
私もつられて空を見ると、三日月と星がいつもより輝いて見えて思わず「綺麗ですね……」と声に出してしまった。
先生はポケットからタバコを取り出し火をつける。
ふー、と煙を吐くと私を見据えた。
「落合。ごめんな、俺……落合に酷いことした」
先生にしては珍しく弱々しい声。
先生は気にしてくれていたんだね。
「何のことですか?」
私はわざとキョトンとして見せる。
私があの告白のこと凄く悩んだって知ったら、先生は優しいから謝ってもずっと気にしちゃうと思う。
なら、最初から私は傷付いてない、気にしてないってことにしておけば、先生は幾分か楽になる。

