一週間前、お父さんは還らぬ人となった。
突然容態が急変し、病院に運ばれるもそのまま……
余命宣告をされてから二ヶ月と半月のことだった。
治療を止めて自宅療養に切り替えたため少しその時期が早まってしまったのだ。
お父さんと先生は、自宅療養になる前にそうなるかもしれないことを覚悟してほしいと医師に言われていたらしい。
自分の命を短くしてでも、お父さんは最後に愛する息子達と過ごしたかったんだ。
お通夜、告別式を終え、私は悲しみに暮れる先輩を花火大会に誘った。
少しは気分が晴れるかもしれない、そう思ったけど甘かった。
お父さんとの約束を思い出して、私の方が先に泣いてしまった。
「先ぱ……ごめんなさい…私より先輩の方が、辛いのに」
なんとか堪えようと思っても、涙はどんどん溢れてきて止まってはくれない。
先輩は私の背中を柔らかくぽんぽんっと撫でると、「やっぱり泣き虫だな」と微笑んだ。

