今でも信じられない。


お父さんが余命宣告されてるだなんて。



余命半年を宣告されてニカ月。



お父さんは自宅療養になって、また少し元気になった。


病気に気の方が勝ってる、そんな感じだ。


自分のことはもちろん、こうやってスイカを切ったり庭で花に水をあげたりも出来る。


傍から見たら病気を患ってるなんて誰が思うだろう。



「夏休みは慶吾と二人で何処か行かないのか?」



お父さんはスイカを二口齧ったところでそれを皿に置いて言った。



「ん〜、何も話してないですね」



先輩とデートらしいデートはあまりしていない。


先輩もそれを気に掛けてくれてるけど、今はなるべくお父さんと先輩が一緒にいる時間を増やしてほしいから、私とのデートで貴重な時間を使ってほしくなかった。



「私のことならいいんだよ。たまには二人で何処か行っておいで」



お父さんは私の胸の内をわかってるようだ。