「あの、屋上で私にそれを言った時ってもしかして先生と彼女さんは喧嘩中でした?」
「喧嘩中だったな、確か」
うわぁ…ビンゴ。
嫌な予感的中だ。
じゃあ、私が好きっていうのも、やっぱり冗談というか礼奈さんへの対抗心や反発心か。
危うく先生の毒牙にやられそうになるとこだった。
「……やっぱあの日、お前ら何かあったろ」
「え⁉︎ま、まさかぁ〜、あるわけないじゃないですか」
重ね重ね、なんて私は馬鹿なの‼︎
そんなこと聞いたら何かありましたって言ってるようなもんじゃない。
「いつまでも隠せると思うなよ?」
「ひぃっ……!」
今、先輩の瞳の奥がキラリ光った気がしたのは気のせいでしょうか……
怖くて目合わせられないよ。
「お〜ま〜え〜ら〜!何サボってんだ!もう業者来たぞ!」
「はい!スミマセン!すぐやります!」
ちょうど良いとこに先生が戻ってきて、私は先輩から逃げることが出来た。
今は不機嫌な先生よりも、野獣のような先輩の方が怖い。
その後、引越しが押して押して押しまくったことは言うまでもない。