「学校では見せないけどな。あれ、彼女と何かあったな」
「え⁉︎先生彼女いるんですか⁉︎」
私に告白なんてしてくるもんだから、彼女いないんだと勝手に思ってたけど。
なんだ、やっぱり冗談だったんだ。
そっか、そうだよね……
私ったら何自惚れてんだろう。
勘違いも甚だしい。
「…何そんな驚いてんだよ」
「へ?いや…別に」
ヤバイ、過剰に反応し過ぎて先輩の不機嫌にスイッチが入ったかも。
しかも、何か怪しんでる?
現に、私にジトッと疑いの目を向けてきてるし。
「はは〜ん。そうだよな。お前、前は陽平のこと好きだったんだし?もしかしたらまだ少し気持ち残ってるとか?」
「ばっ、馬鹿なこと言わないで下さい。そんなことあるわけないじゃないですか!」
「じゃあ何隠してるんだ?」
「別に何も隠してませんけど」
先輩の威圧と変な緊張で、声が裏返りそうになる。
告白されたこと、キスされそうになったことは絶対にバレちゃいけない。
だって、バレたら……
先輩の絶対零度の表情と態度を想像して身震いがする。

