俺様主人は時に甘い


「怒られてやんの」



馬鹿にしたように、ふ、と笑う先輩に向かっ腹が立つも先輩の言う通りだから言い返せず。



ああ……カムバック、昨日の先輩……


なんて、アホな事を本気で願ってみる私。



はぁ、と溜め息を吐きつつキッチンを片付けていると、カウンターに置いてある先生の携帯が鳴った。



「先生、携帯鳴ってますけど」



声を掛けると、さっきよりも眉間に皺を寄せて険しい表情の先生が振り返って、思わず私のチキンな心臓が飛び上がった。



先生は無言で携帯を手にするとリビングから出て行って、やがて玄関が閉まる音が聞こえた。



「はあぁぁ……怖かった」



何なのよ、一体。


先生ってあんな風にあからさまに怒ってるイメージが全くなくて、笑顔の裏に怒りを秘めるタイプだと思ってたけど。


あの人、怒ると先輩より怖いかも……



「あいつ、いつもあんなんだから気にすんな」


「いつも?」