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「で?荷造りが終わってないのは何故?」
ニコニコ笑顔の仮面を被った先生に、心の中で「ひぃ〜っ!」と叫び声を上げる。
「こいつが悪い」
私に罪を被せるのは、昨日甘々の王子様だった私の彼氏。
「先輩のせいじゃないですかっ‼︎先輩が離してくれないから…」
昨日の事を思い出して、恥ずかしさの余り小さくなる声。
先輩の引越し当日。
部屋の中は誰がどう見ても片付いてなく、荷物を運び出せる状態ではない。
「はぁ……お前ら、うざいしキモい」
う、うざい⁉︎キモい⁉︎
あの爽やか教師の口から“うざい”“キモい””だなんて似合わない言葉が出てきましたけど。
私の聞き間違いか何かですよね?
「ほら、突っ立ってないでとりあえずダンボールに詰めろ。業者がもうすぐ来るぞ」
「へいへい」
いつもより乱暴な言葉遣いの先生に対し、先輩は全く反省していないようで面倒くさそうに返事をした。

