「一度もペットだなんて思ったことない。雅は最初っから俺の中にいたよ」
「最初って?初めて話した昼休みの時ですか?」
「ふ。違うよ。俺と雅が話したのはあれが初めてじゃない」
「え?」
あれ以前に先輩と話したことがあるってこと?
でも、いつ何処で?
私は先生にマネージャーをやるように頼まれるまで先輩のことを知らなかった。
こんな王子様のような人と面と向かって話したら絶対忘れるはずがないのに。
「いつか教えてやるよ」
「今教えて下さい。気になります」
「ずっと気になってろ。俺以外のこと考える暇ないぐらいにな」
「意地悪……私の頭の中が先輩でいっぱいなの知ってるくせに」
もう先輩のことしか考えてない。
他の人のことなんて視界にも入らない。
私の全てが先輩中心になってるのに、これ以上先輩のことで考え事が増えたら私はどうなっちゃうんだろう。

