意地悪王子の先輩にお似合いの言葉を並べる。
だけど、先輩はダメージを食らっていないようで。
「言ってろ、吠えるしか脳がねぇ負け犬が」
そう言って、先輩は怒る私を無視して荷造りに取り掛かった。
吠えるしか脳がない負け犬って!
……その通り過ぎて何も言い返せないけど。
悔しい悔しい悔しい‼︎
どうしたら先輩をギャフンと言わせられるんだろう。
先輩をチラッと見る。
黙ってると、相変わらず良い男。
王子様のようにキラキラしてて、人目を惹くし。
顔面偏差値もかなり高い。
スタイル抜群、頭脳明晰。
申し分のない、私には勿体無いぐらいの最高の彼氏だ。
……性格以外は。
「ミヤ、ガムテープ取って」
ふん、と無視をして些細な抵抗をしてみる。
「なんだ、まだ拗ねてんのか?」
ええ、そうですよ。拗ねてますよ。
どうせ私は吠えるしか脳がない馬鹿で間抜けで可愛げのないブスな負け犬ですよーだ。

