「よくも脅してくれたな」


「脅したわけじゃ……少しの出来心で……」



うわん。怖い、怖すぎる!


誰か助けてっ‼︎



目をギュッと瞑り、心の中で助けを請うと唇に柔らかい物が触れた。


咄嗟に目を開ける。



優しく触れたあと唇を数センチ離すと、先輩はさっきの不敵な笑みとは打って変わって、思わず胸が高鳴ってしまうような甘い笑みを浮かべた。



「馬鹿。目閉じろよ」


「だって、」



私の言い掛けた言葉は、先輩のキスに飲み込まれた。


今度は触れるだけのものではなく、角度を変えて啄むようなキス。


息が苦しくて先輩の服を握るけど、先輩はキスを止めるどころか追い討ちをかけるように攻めてくる。


少し開いた唇から先輩の柔らかいものが入り、私の歯列をなぞった。


その初めての感触にぞくりと身体が震え上がり、「っ、や……」とつい声が漏れてしまう。


先輩の舌は私のそれを絡めとり。


私はどう応えればいいのかわからなくて、やられるがままにそれを受け止めた。