多分、今の私は相当間抜けな顔をしてると思う。
ぽかんと口を開いて、眉間に皺を寄せて。
だけど、誰だってこういう反応になるはずだ。
だって、キラキラの王子様だと思ってた笠原先輩のキャラが、目の前で崩壊してるんだから。
「何?もしかして、緊張してんの?」
わざと耳元に口を寄せ、囁く。
低くて少し掠れたその声に、またしても全身の細胞がぞわぞわっと騒めいた。
背中には冷んやりとした開かないドア。
目の前には全部のボタンが外れ、腹筋が見事に割れた先輩の裸。
完全に逃げ場がない。
「お前、そういうの全く免疫なさそうだもんな」
いつもの王子様キャラは、仮面だったんだ。
本物の先輩は意地悪で俺様の、今目の前にいるこの人なんだ。

