俺様主人は時に甘い


先輩と一緒に中に入ると、ベッドの周りのカーテンを先生が開けているところだった。



「父さん、慶吾と落合さんが来てくれたよ」



カーテンが完全に開かれて、お父さんが私達を目で捉えると「陽平。起こしてくれないか」と先生に声を掛けて、ゆっくりと起き上がった。



「初めまして、落合さん。今日は来てくれてありがとう」



お父さんの声は少し掠れているけど、先生と先輩によく似てる。


治療中だからか頬が痩けているけど、顔はどっちかと言うと先生よりで。


お父さんも二人に負けず劣らずカッコイイ。


先生は年をとったら、お父さんみたいにダンディーな感じになるんだろうなと思う。



「は、初めまして。先ぱ…慶吾さんとおおお付き合いさせて頂いてます、落合雅と申します…っ!……よよ、宜しくお願いしますっ」



うわん!緊張しちゃって、噛み過ぎた!


私は恥ずかしさの余り赤くなった顔を隠すように深く頭を下げると、先輩が後ろでクックと肩を揺らして笑ってるのが見えた。