「バーカ。そんな気取んなくていいんだよ」
「でも…」
「俺が良いつってんだから良いんだよ。俺はそのままのミヤを好きになったんだから」
「先輩……」
ああもう‼︎なんでそういうことサラッと言えちゃうかなぁ。
胸がキュンってしちゃったよ……
顔だって、絶対真っ赤だ。
「お前ら、俺の存在忘れてね?イチャつくのは二人の時にして下さい」
やけに爽やかスマイルの先生。
態とらしいその笑顔…絶対に怒ってらっしゃる……
「ス、スミマセン」
すっかり忘れてた。
先生の存在もここが病院だってことも。
先輩の甘い言葉を聞くと、すぐ周りが見えなくなっちゃうんだもん。
当の本人は何も気にしてない様子だし。
「父さん、入るよ」
先生はドアをノックして言うと、中に入っていく。
先輩をチラッと見ると、心なしか緊張が表情に見て取れた。