もう練習が始まってるんだろうか。
部室に荷物は置いてあるものの、部員は誰もいない。
部室をぐるりと見渡す。
六畳ほどの広さのやや薄暗い部屋に、ロッカーと長椅子が置かれている。
長椅子には脱ぎっぱなしの靴下や、出しっ放しの鞄。
床には革靴やら使い古したボール。
そして、男がいない我が家にはない、男子の匂い。
覚悟はしていたけど、想像以上だ。
部屋の汚さに圧倒されていると、先輩が『笠原』と札のついたロッカーを開けて、脱いだブレザーを放り込んだ。
ワイシャツのボタンも一つ一つ外していく。
「えっ!あ、先輩!着替えるなら私、外に出てますっ!」
チラリと見えた先輩の胸板に、カアァッと顔が熱くなって。
慌てて部室を出ようと取手を掴むと。
ーーーーードンッ!
突然、頭上から大きな音が聞こえて恐る恐る顔を上げた。

