きっと寂しかっただろうな。
辛くて辛くて、私だった毎晩泣いてしまうと思う。
私は家で一人のことが多いけど、お母さんは帰ってくるし休みに何処かに遊びに行くことも出来る。
だけど、先輩のお母さんはもう永遠に帰っては来ない……
待っても待っても、帰って来ない……
それは想像を絶するほど、辛く寂しいことだと思う。
「陽平がしょっちゅう家に泊まりに来るからうざいけどな」
こんなこと言ってるけど、本当は凄く先生のこと信頼してるんだと思う。
うざいとか言いながらも口が緩んでるし。
「お父さんとは、」
“連絡取り合ってないんですか?”と口から出そうになった言葉を咄嗟に飲み込んだ。
私の馬鹿!馬鹿馬鹿っ‼︎
何を無神経にそんなこと言おうとしてるのよ‼︎
お父さんと先輩が上手くいってないこと、先生からも聞いて知ってたじゃない。
そもそもお父さんから手紙を受け取っただけで、不安定になって学校を休むぐらいなのに。

