俺様主人は時に甘い


鈴菜の真摯な言葉に、先輩は一瞬目を見開く。


そして、すぐにふっと笑うと、



「大丈夫、任せてよ。ちゃんと守るから」



凛々しい表情でそう言って、私の前に跪いて右手を取った。



「ちょっ、先輩!何して…」



学校一の人気者が、私に跪くなんて…


こんなとこ誰かに見られたら、あの手紙どころの騒ぎじゃない。



すぐに先輩の手を払おうと力を入れる。


だけど、先輩は簡単にグッと抑えつけた。



「さぁ、行きましょうか。お姫様?」



ニヤッと口角を上げる先輩に、全身の細胞がざわめき立つ。


王子様の言葉に脳まで痺れて。



その後の事は、正直あまり覚えていない。



手を引かれたまま走って。


たまに先輩が私を振り返って微笑んで。


周りの目を気にしてる余裕なんてなくて。


気がつくと、サッカー部の部室に着いていて、先輩に言われるがままに中に入った。