そう言いながら、廊下をスタスタ歩く足音がどんどん近くなってくる。
ヤバい!来る!見られちゃう!
早く離れないとっ‼︎
「あ、やっぱり落合だ」
躊躇なくリビングのドアを開けた先生は、嬉しそうに笑った。
「こ、こんちには。先生」
ふぅ〜。危機一髪。
「早く起きて下さい!」と小声で先輩に言うと、「別にこのままでもいいじゃん」なんて呑気なことを言うもんだから。
そんなわがままっぷりを発動させた先輩を、先生がリビングに入ってくる寸前でなんとか起き上がらせて隣に座らせた。
しかも、私には珍しく力付くで。
いやいや、心臓が壊れちゃうかと思いましたよ。
先輩は膝枕をしてる姿を見られるの恥ずかしくないのかな。
ちらりと先輩を見ると、ブスっと不貞腐れた様子。
ったく、不貞腐れたいのはコッチよ。
「二人、付き合う事になったんだって?学校で凄い噂になってるぞ」