プレゼントを無事に買い終えると、今度は先輩にこれを渡した時の反応を妄想する。


驚きで目を丸くして、すぐにとろけるような甘い笑顔を見せてくれて。


その大きな手で頭を優しく撫でてくれる。


そんな妄想を当日まで何度も何度も頭の中で繰り返して。


誕生日までのたった数日がえらく遠く感じるんだ。


その間、先輩には内緒なのに話したい衝動に駆られて、頬をつねって我慢する自分の姿が安易に想像出来る。



当日、先輩の周りには女子の群れがあって、それを見る度にヤキモチを妬く。


私がプレゼントを渡す場所は、先輩の家か教室か……部室もいいかもしれない。


窓から夕日が差し込んで、まさに青春。


誕生日おめでとうございます、と言うと、妄想通り先輩は驚きで目を丸くする……


と、思いきや、私がサプライズを企んでいたことなんて先輩にはやっぱりバレていて。


お前分かり易すぎ、なんて言いながら甘く笑うんだ。