プレゼントとかサプライズとかそういうのはいらないの。


ただ先輩と過ごせればそれだけで幸せだから。


でも、それを言うのは我儘じゃない?


がめついと思われないのかな?



「馬鹿ね。付き合い始めたばかりなんだから知らないことがあって当然。それを教え合うのは全然悪いことでも恥ずかしいことでもないの。それに特別な日は好きな人と過ごしたいっていう雅の気持ちと同じで、先輩だって大事な人の特別な日は祝いたいって思ってるはずだよ。誕生日一緒にいたいですって言われて嫌な人なんて絶対にいないんだから」



「雅はそう思わないの?」と鈴菜に聞かれ、先輩の誕生日のことを想像してみる。



誕生日の一ヶ月前から買い物に行って、誕生日プレゼントを選ぶ。


普段入らないメンズ服の店で、先輩に似合うか妄想しながらプレゼントを探して。


結局1日じゃ決まらなくて何日も何日も迷う。


その時の顔は、誰にも見せれないぐらい破顔してることだろう。