俺様主人は時に甘い


「部活って……別に練習終わってからご飯とかでもいいじゃん」


「そうなんだけど……あっ‼︎」



誕生日一緒に過ごす云々の話以前に、重大なことに気付いてしまった。



「何?」


「先輩……私の誕生日知らないと思う」



先輩と誕生日がいつだとか、そんな話をしたことがない。



先輩の誕生日はうちの学校の女子なら知らない人はいないぐらい有名で、当然私も知ってる。


ちなみにその日は女子の一大イベントになるらしく、朝から先輩は大変な目に遭うらしい。



「アンタ、それ本気で言ってる?」



鈴菜だけでなく、香澄ちゃんとみどりちゃんまでもが目をパチクリさせて、何言ってんだコイツ的な顔をしている。


漫画とかアニメだったら木魚の効果音が鳴りそうだ。



「「「はああぁぁぁ……っ」」」



沈黙を破ったのは、三人の息が合った盛大なため息で。


私は「ははは……」と苦笑いを浮かべるしかなかった。