俺様主人は時に甘い


「そういえばもうすぐ雅の誕生日だね。先輩とお祝いするの?」



鈴菜はそう言って、何ともなさそうにパックジュースをストローで飲み干した。




以前、先輩を好きだった鈴菜と今では普通に先輩の話をするようになった。


あの気持ちは純粋なものだったから、先輩と付き合い始めたこと少し言い辛かったけど、


『もう私は先輩のこと何とも思ってないから。それよりも、私達何でも話そうって約束したのに話してくれない方がよっぽど悲しいよ‼︎』


逆にそう怒られてしまった。


それと、先輩と鈴菜の間の気まずい雰囲気も解消されつつあって。


私としては彼氏と親友が険悪なのは心苦しいから、いい方に転がってホッとしているところ。




「んー…何も話してない」


「ぇえっ⁉︎話してないって今週末なのに?何で⁉︎」


「いやぁ……その日部活だし?」



三年生は今、最後の大会に向けて猛練習中でもちろん休みなし。


私の誕生日だからって、休んでもらうわけにもいかない。