俺様主人は時に甘い


◇◆◇


「顔っ‼︎キモくなってる‼︎」



昼休み、弁当を食べながら昨日の先輩との時間を思い返していると、向かい側の席に座った鈴菜に思いっきり頭を叩かれた。



「イッタァ…‼︎痛いよ、鈴菜ぁ‼︎」


「わざと痛くしたの‼︎痛くしないと、なかなかあっちの世界から帰って来ないんだもん」



だからってそんな強く叩かなくたっていいのにぃ…


鈴菜ったら意外と馬鹿力なんだから。



叩かれた頭を摩りながら頬を膨らませると、鈴菜は「何?」と睨みつけてくる。



「い、いえ……ナンデモアリマセン」



うゔ……怖い、怖いよ。鈴菜さん。


そんな大きい黒目で睨まれたら、石にされてしまいますよ……



あれからすぐ学校に復帰した鈴菜は、私に本当の姿を見せてくれる。


本当の鈴菜は最強……いや、最恐で。


よく笑うようになった。


それが嬉しくて、今最高に楽しい。



それに、



「ホント二人見てると飽きないわ」


「最強コンビだよね」



香澄ちゃんとみどりちゃんも加わり、私達四人は毎日笑いが絶えない。