俺様主人は時に甘い


でも、性格は問題大有り!


俺様だし意地悪だし。


普段見せてるキラキラ王子の顔は偽物で、本当の先輩は決して王子様なんかじゃない。



だけど、私はそんな先輩が好きだし、そもそも先輩を顔で好きになったわけでもない。



「私は顔じゃないですよ」



ちょっと拗ねたように頬を膨らませると、先輩は「はは」と笑った。



「わかってるよ。話を最後まで聞けって」


「え?」


「煩い女共なんて懲り懲りだった。ミヤに会うまでは」



そう言って、真っ直ぐに私の目を見つめる先輩に胸が跳ね上がった。



「お前は最初から他の奴らとは違った」



私の右頬を手のひらで包むと、親指で目の下辺りを撫でた。


緊張し過ぎで頭がクラクラする。


恋愛初心者の私には、この雰囲気は対処出来ない。



先輩の顔がゆっくりと近付いてくる。



「好きだよ、ミヤ」



唇が触れる寸前でそう囁くと、優しいキスの雨が降り注いだ。