「お茶飲む?」
「は、はいぃ!」
「炭酸もあるけど」
「いえ!お茶でお願いします!」
落合雅、15歳。
先日、初めての彼氏になった先輩の一人暮らしのマンションのリビングで。
ソファには座らず、モフモフの絨毯に背筋をピンッと伸ばして正座をして。
只今、緊張で石のようにガッチガチに固まっております……
台所からガサゴソと物音がすると、気になってソワソワしたりチラッと盗み見たり。
先輩の近くなる足音に心臓が跳ね上がったり。
「ほら、お茶」
そう言って隣りに座ってきた先輩と触れ合う肩に意識を集中させたり。
先輩の家にお邪魔して10分。
もうそろそろ限界であります……
「何緊張してんの?」
いつものように意地悪に笑う先輩。
だけど、今はいつものようにふざけて返せません。
「ハ、ハハハハハ。きききんちょーなんて、するはずないじゃないですかー」
絵に描いたような噛みっぷりに、先輩がぷっと吹き出す。