「わかってるよ。でも許せなかったんだから仕方ないじゃない」 「仕方なくない!もし雅に何かあったら、私立ち直れないよ」 唇を噛み締める鈴菜。 本気で怒ってくれて、本心で言ってくれてるのがわかって、嬉しくて私まで涙が出そうになる。 「ほら、二人共。チャイム鳴るぞ」 ふ、と口元を緩ませた先生に二人同時に背中を優しく押されて、軽く肩がぶつかった。 「……ありがとう、雅」 そう言って、プイッと顔を逸らした鈴菜の頬が林檎のように真っ赤っかで、私は思わず笑ってしまった。