俺様主人は時に甘い


「ありがとう…雅ちゃん。あの子、きっと喜ぶわ」


おばさんはそう嬉しそうに微笑むと、私を家に上げてくれた。


階段を上がり、おばさんが突き当たりの部屋のドアをノックして声を掛ける。



「鈴菜、お客様よ。出てらっしゃい」



耳を澄ますも、鈴菜からの返事はない。



「雅ちゃんが来てくれたのよ?」



カタッと物音が聞こえた気がするけど、それでも鈴菜は出てこない。



「おばさん。いいですか?」



私はおばさんに代わってドアをノックすると、部屋の中の鈴菜に伝わるように話し始めた。



「鈴菜?私、雅。来るのが遅くなっちゃってごめんね。本当はもっと早く来たかったんだけど…怖くて来れなかったの……」



スゥッと深呼吸をする。


今の気持ちを正直に言おうって決めた。


そのせいでお互いが傷付いたり、もう友達に戻れなくなったとしても。


本音でぶつかり合わないと、また同じことを繰り返して仮面の友達のままになってしまう。


本物の友達になる為に、自分の気持ちを隠さず伝えなくちゃいけない。