俺様主人は時に甘い


少しして、鈴菜のお母さんが玄関から出てくると、私は軽く頭を下げた。



「あはたが雅ちゃん?」


「はい。突然すみません。鈴菜さんがずっと学校を休んでるので、気になって」


「鈴菜がいつもお世話になってるようで。雅ちゃんのことは鈴菜から話を聞いてます」



鼻と口の形、輪郭、声、話し方。


鈴菜によく似てる。


背は小さく、おっとりしていて優しそうなお母さんだ。



「雅ちゃんが来てくれて嬉しいわ。あの子、あなたに会いたがってるの」


「私に…?」


おばさんとは初対面だけど、何処と無く疲労感が表情から出てる気がする。


鈴菜のこと凄く心配してるんだと思う。



「何があったのか話してはくれないんだけど、雅ちゃんのことは話すのよ。“雅に謝りたい…雅に会いたい”って、毎晩泣いてるの」



そう言ったおばさんの目は涙で滲み、それを零さないように唇を噛み締めている。