「先輩から見たら、お人好しで馬鹿かもしれません。でも、私……出来ることなら鈴菜と友達になりたいんです。今度は本物の」
凛とした表情で先輩を見つめる。
先輩にはわかってほしい。
先輩は真摯な目で私を見つめ返す。
やがて、ふぅ、と息を吐くと「お前には敵わないな」と口元を上げた。
「出来るだろ。ミヤなら」
「え…？」
「この俺に遠慮なく自分の気持ちや思ってることズカズカと言えるんだ。そんなの陽平以外にお前だけ」
「それは褒めてます…？」
「一応これでも褒め言葉だけど。俺に言えるんだからあいつにだって言えるはずだろ？気持ちぶつけて来い。全部、ありのままに」
先輩……
もしかして、先輩はわかってる？
私が不安で不安でたまらない事。
あの事件のこと全部許せるか。
鈴菜が私を拒否しないか。
また前みたいに戻れるのか。
「本当はあんな奴にはもう二度と関わるなと言いたいとこだけど、お前らにしかわからない何かがあるんだろうし」
