「違うよ、彼女じゃない」
「ホントですか?」
「ああ。本当」
「でも、なんか親密な関係なのかなって…」
下の名前を呼び合って、二人でご飯を食べに行って。
少なからず、あの子は先輩のことを好きなんだと思うんだけど。
「あいつは俺の従姉妹」
「従姉妹?」
従姉妹なら名前で呼び合うのも二人でご飯食べに行くのも頷けるけど…
「母さんの兄の子。叔父さんには色々と世話になったからな。春香は俺に懐いてるから、勉強とか見てやってくれって叔父さんに頼まれてるだけ」
そう言って、ため息を吐く先輩。
そっか。
お世話になってる叔父さんのお願いだから断るに断りきれないんだ。
ため息を吐くぐらい大変な先輩には悪いけど、ホッとした。
彼女じゃなかった。
先輩の好きな人じゃなかった。
それが凄く……嬉しい。
「何ニヤニヤしてんの」

