俺様主人は時に甘い


先輩が追い掛けて来てくれた。


前みたいに普通に話せてる。


目を合わせてくれる。



先輩がそういう雰囲気にしてくれてるんだ。



なら私は?


素直になるなら今しかないんじゃない?



急に黙り込んだ私を、先輩は「ん?」と穏やかな表情をして待っていてくれてる。


異様に速く波打つ心臓。


私は唾をゴクッと飲むと、意を決して口を開いた。



「あの女の子は先輩の彼女さんですか?」



語尾になるにつれて小さくなる声。


ああ…こういう時、度胸がない自分が嫌になる。



「女の子って……ああ、春香のことか」



先輩はキョトンとした顔をした後、またもやニヤッと笑った。



「気になる?」


「っっ」



やっぱり先輩って意地悪どS王子だ。


気になるから聞いてんのに!


わかってるのに敢えて聞いてくる辺り、私の反応見て楽しんでるとしか思えないし。