ーーーーこれは、現実?それとも夢?



六時間目の体育を終え、上靴に履き替えようと下駄箱を開けると。


一時間前まではなかった数通の手紙。


二つ折りのそれを恐る恐る開くと、そこには悍ましい文章が書かれていて、思わず「ひぃっ!」と声を上げてしまった。



「どうした?」



一緒にいた鈴菜が怪訝な表情で私の手元を覗き込む。



「“画鋲orカッター?”…って、何これ…」



鈴菜の声色も表情も強張ったのがわかる。


そりゃそうだろう。


その文字は、あたかも血で書いたかのようにベットリと、ところどころ血が垂れたようなキミが悪い手紙で。


他の手紙も同じ内容のものだった。



これは所謂“イジメ”?


何で私がこんな目に?



「冗談じゃないわ‼︎雅、先生に言いに行こう」


「先生って?」


「田中先生よ。先生ならなんとかしてくれる」