「でも、気を付けた方がいいよ?」


「え?」



いつの間に、いつもの鈴菜に戻っていたのか。


その切り替えの早さに少し驚く。



「笠原先輩と仲良くなったら、周りが黙ってないと思う」


「えっと…それはつまり…」



ごくっと唾を飲む。


イジメ、嫌がらせをされるってことですね…?



「前のマネージャーは一つ上に彼氏がいたし、今の空手部の部長が双子のお兄ちゃんだから守られてるけど。雅は違う。見るからに小さくて弱そうだし」



やっぱり…そういうものなの?


漫画とかでは、よく話しただけで妬まれるパターンあるけど。


現実も同じ?



「しばらくは私から離れちゃ駄目だよ?」


「鈴菜〜!」



鈴菜に半べそをかきながら抱きつく。


鈴菜は「よしよし」とペットを撫でるように私の頭を撫でてくれた。