ーーーーピンポーン。
何度目かのインターホンを鳴らし、相変わらず応答がないことに溜め息を漏らすと、二階の鈴菜の部屋の遮光カーテンが引かれた窓を見上げた。
「今日も駄目、か…」
サッカー部の顧問に事情を説明し、しばらく部活を休ませてもらうことにしたのは三日前のこと。
三日間連日でインターホンを鳴らすも、一回も誰も出て来ない。
鈴菜の両親は共働きだから、この時間不在なのはわかってたことだけど。
鈴菜は家にいるのかな…
家の人がいなくても、ちゃんとご飯食べてるのかな…
変なこと考えたりしてないよね…?
家に来ても鈴菜の気配が感じられなくて、私の不安は日を重ねるごとに積もっていた。
また明日来よう。
明日は部活に出て、時間をズラして。
おばさんがいれば、鈴菜ももしかしたら出て来てくれるかもしれないし駄目でもおばさんと話したい。
「また来るね」
鈴菜の部屋の窓に向かって呟くと、一度息を吐いて歩き出した。