「何かあったらすぐ俺に連絡して。すぐ駆け付けるから」
「先生。私、先生の生徒になれて良かった」
「何だよ、急に」
「だって、先生はちゃんと一人一人を見てくれるでしょ」
派手で目立つ子、普通な子、影が薄い子、地味な子。
意見をハッキリと言う子、無口な子、引っ込み思案な子。
色んな生徒がいるけど、先生はどの生徒も平等に接してくれる。
私は、引っ込み思案で自分から友達に話しかけられなかった。
中三の時、一人ぼっちになっても当時の担任は知らんぷり。
気に留めてもくれなかった。
でも田中先生は違う。
どんな些細なことでも、表には出さなくても、ちゃんと気付いて声を掛けてくれる。
その言葉一つ一つが暖かくて、安心するんだ。
「…あんまそういうこと言ってると、どうなっても知らないぞ」
意外にも、先生は顔を真っ赤にして口元に手の甲を当てるように隠す。
それが余りにも可愛くて、思わずクスクスっと笑ってしまった。

