俺様主人は時に甘い


「雅ちゃん、さっきからため息ばっか。幸せ逃げるよ〜」



昼休み、机を寄せて弁当を食べているとみどりちゃんが「恋の悩み?」と甘い話を期待してるような口調で言った。



「んー…」



恋の悩み、かぁ。


半分正解で半分不正解ってとこかな。



先輩のことも悩みの一つ。


すれ違っても目すら合わせてもらえなくて、私の心はもうズタズタだった。


もう贅沢は言わない。


先輩に目を合わせてもらえれば…前みたいにペットでいいから話してくれれば、それでいい。




だけど、もう一つ私の頭の中を占めているもの。


それは、あれ以来学校をずっと休んでる鈴菜のことだった。



あれから何日経ってるだろう。


鈴菜の高校デビューの噂は形を変え、どこからそうなったのか、学校を休んで男と遊び呆けてるというとんでもないものになっていた。


確かに鈴菜に酷いことをされた。


だけど、だけど…一番初めに私に話し掛けてくれたあの優しい鈴菜が私にはどうしても偽物だったと思えないんだ。