先生は凄く優しくて人情味があって、生徒のことをちゃんと見てくれる。
時に厳しく、時に優しく、生徒に寄り添ってくれて。
何処かのドラマか漫画で見たような完璧主義な教師だ。
だけど、弟の前では良い先生像が砕けて、言葉遣いは雑になるし笑った顔が子供っぽくなる。
そのギャップもまた良くて、先生は本当に素敵な男性だと思う。
入学式の翌日、先生が掛けてくれた些細な言葉で私がどれほど救われたことか。
あの日から先生が好きで、好きで。
だけど、今私が好きなのは……
強引で意地悪で俺様な先輩なんだ。
顔を合わせれば言い合いばかりだけど、先輩の隣りは居心地が良くて。
ずっと側にいたいと思った。
先生よりも、先輩といたいのに。
「先輩。先生のことはもういいんだよ。…」
先輩、勘違いしないでよ。
私は先生のこと、もう何とも思ってないんだから…
「私が好きなのは先生じゃない。先輩なんだよ…馬鹿」
誰もいない屋上に、私の声だけが響いた。

