俺様主人は時に甘い


先輩が怒ってるのが、この沈黙でわかる。



怖い。


これ以上、嫌われたくない。



だけど、今が謝るチャンスなんじゃないかな…



「先輩、あの……この間はすみませんでした」



立ち上がって、先輩と向かい合う。


相変わらず私と目も合わせてくれない先輩。



先輩に見放され、避けられることがこんなにも悲しいなんて……


私、自分が思ってるよりも先輩か好きなのかもしれない。



「別にいいんじゃない?俺には関係ないことだし」



俺には関係ない……か。


先輩の言葉が鋭利な刃物になって、胸を突き刺す。



「一つだけ忠告しといてやる。陽平には気を付けろ」



「え?それってどういう……」



どういう意味なの?と言い終える前に先輩は屋上から出て行ってしまった。



田中先生には気を付けろって、前にも同じような事を言われたっけ。


初めてマネージャーとして部活に出た時、部室で「あいつはやめておけ」って。