「先生、あの…」
こういう時は何て言ったらいいの?
頭の中は軽くパニックを起こしていて、「あわわ」と変な声が出てしまう。
どうしよう…
どうしよう、どうしよう……‼︎
憧れてた先生。
この声と笑顔に何度も癒された。
雲の上の存在だった先生が、私を好きだなんて……
「落合…」
先生は掠れた声で私の名前を呼ぶと、真摯な瞳で見つめながら頬を大きな掌で包んだ。
くすぐったくて、恥ずかしくて、ぞわわと細胞が騒ぎ出す。
こ、このシチュエーションって…
ヤバいんじゃない⁉︎
私……キス、されちゃうの⁉︎
ゆっくりと、確実に近くなる唇。
もう駄目っ‼︎‼︎
目をギュッと強く瞑った。
その時。
「お取込み中悪いけど」
先輩の不機嫌な声が聞こえ、先生も私もピタッと動きを止めた。

