あまりにも先生がサラッと言うもんだから、頭で理解するのに時間を要する。
好きって、生徒としてじゃなく恋愛としてってこと?
…いやいや、それはないな。
だって私、チビでちんちくりんだもん。
先生が私を好きになるわけがない。
生徒としてって意味に決まってんじゃん。
「今、色々勘繰ってんだろうけど。女性としてって意味だからね」
「っっ!」
う、嘘……
あの田中先生が、私を、好き……?
何も言えないでいると、先生がスッと手を伸ばして私の髪を撫でた。
「綺麗な髪だな」
突然、様子が変わった先生にドキッと胸が高鳴った。
私を見つめる瞳も、その声も、妖艶で。
私の心臓を鷲掴みにする。
「この髪も肌も俺好み」
「せ、先生…」
「なぁ。慶吾やめて俺にしない?」
熱い瞳、いつもより低めの声、先生の香水の香り。
私の知ってる先生は、爽やかで、笑った顔は子供っぽくて可愛くて。
こんな先生知らない。

