「ねぇ、今暇?」
はい?何ですか?そのナンパみたいなノリは。
「えっとぉ…暇って言ったら暇ですけど」
「よし!じゃあちょっと、一緒に来て」
「え?」
何処にですか?と口を開きかけた時、先生が無理矢理私の手首を引っ張った。
「先生!」
有無を言わさず、手を引いて走る。
ちょっと!何コレ⁉︎
先生どうしちゃったの⁉︎
「大丈夫大丈夫」
って、大丈夫じゃないしっ‼︎
誰がどう見たって、先生と生徒が手を繋いで走ってたら怪しいと思うでしょ‼︎
心の中で先生に突っ込みを入れながら走ること数分。
着いたのは、屋上だった。
「んんーっ!気持ち良いな」
両手を空高く掲げて背伸びをする先生。
確かに気持ち良い。
最近、気温が急に上がって汗ばむ季節になったけど、夕方に吹く微風はまだ少し冷たくて。
火照った身体には丁度いい。